2010年07月16日

麻黄附子細辛湯の絶妙なバランス

「高齢者に麻黄剤は適していない」とよく言われます。
主成分としてエフェドリンを含むので、心臓に負担がかかりやすい。
発汗解熱作用が強いので、過度に解熱脱水されてしまう。
などと言われます。

たしかに麻黄湯、葛根湯などは、高齢者にあまり適していないと言われています。

しかし、麻黄附子細辛湯は高齢者によく処方されます。
麻黄、附子、細辛とどれま作用が強い生薬に思えるのですが。

ツムラのMRさんに話を聴きました。

どうやら麻黄単独が問題なのでなく、"麻黄+桂枝"が高齢者に適していないのだそうです。


桂枝により血流が増幅し、そのおかげで麻黄の解熱発汗作用が強く出る。

なるほど前述の『病名漢方治療の実際 ―山本巌の漢方医学と構造主義― 』を見ると"麻黄+桂枝"の組み合わせの項を見ると、

"桂枝は欠陥を拡張して血流をよくして体を温める"

"麻黄は発汗作用が強く、桂枝を配して寒邪を発汗により治す"

との記載があります。


かたや"麻黄+附子+細辛"はの項には、細辛・附子に温経散寒(外表を温める)作用があるとの記載があります。

このことで、過度に解熱されないようにように考慮されているわけですね。

漢方処方における生薬の組み合わせは奥深いですね。


ところでエフェドリンを含む生薬を高齢者が服用して問題ないのか、と西洋医学的な質問となると、西洋医学の観点で回答するのは困難に思われます。

いずれは他の含有生薬により、エフェドリンの吸収疎外、代謝促進、受容体への拮抗が起こっているということが明らかになるかもしれませんが。

今のところ、高齢者の麻黄附子細辛湯使用で心臓への負担増大、などといったことは聞きませんが。

よろしければ、上記の内容に回答・指針をいただけると幸いです。
posted by 知ったかぶり薬剤師 at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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