2010年07月10日

効能・効果を巡る不思議

前回の日記で取り扱ったアスピリン。
添付文書に高用量製剤で抗血小板作用が記載されていないことに関しては述べましたが、
ではなぜ、低用量製剤で解熱鎮痛作用が記載されていないのか。

単純に考えればもともと"小児用バファリン"といった低用量で解熱鎮痛作用をうたったものもあったはずなのに。
少なくとも、何錠かまとめて服用すれば、解熱鎮痛作用は出ます。この件に関してはどうやら、製薬メーカーの思惑があったようです。

抗血小板薬としてのアスピリンの製造販売を製薬メーカー・バイエルが決意したとき、新薬として承認がおりることを望んでいたようです。

新薬として承認されれば、新しく薬価が定められる(もともとアスピリンの薬価は最低クラス)。
また、ライバルメーカーとの差異化も計れる。


しかし、結果的に厚労省は新薬としての承認を与えませんでした。
なにせ、生誕100周年の薬。
抗血小板作用に関してもデータが出揃っていたという見解で。



同成分で異なる薬効をもつ薬品は、何例かあります。

低用量で心不全への効能をもつアーチスト。

抗てんかん薬エクセグランの1/4用量でありながら、薬価が跳ね上がる抗パーキンソン病薬トレリーフ。

乱用が問題になってうつへの適応を失い、同じ成分でありながら住み分けがなされた、リタリンとコンサータ。

メルビンと含量が同じなのに、用量の規定を変えて新薬として発売されたメトグルコ。

などなど。

これらに対するメーカー、厚労省の思惑を追っていくと、興味深そうですね。
posted by 知ったかぶり薬剤師 at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬効 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/155914226
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。