2010年07月07日

アスピリンは不思議な薬

19世紀末に発見され、今現在まで医療の前線で使われている“アスピリン”ですが、この薬はとても不思議な薬です。

もともと“消炎鎮痛薬”として開発された薬ですが、のちに“抗血小板薬”としての作用が見出され、心筋梗塞・脳梗塞の予防に使われているのは、医療従事者の間では周知の事実です。

この薬、低用量(81mg、100mg)だと“心筋梗塞・脳梗塞の予防”の適応があるのですが、不思議なことに高用量(330mg)製剤では適応がありません。

なぜだったかな、ということで調べてみました。

今回は王道の調べ方をしました。

wikipwdia。


ポイントとなる単語は、アスピリン・ジレンマ

なるほど、
低用量においては、
血小板凝集促進作用をもつトロンボキサンA2(TXA2)は低用量でも減弱させますが、
血小板凝集抑制作用をもつプロスタグランジンI2(PGI2)は減弱させない。

血小板凝集促進<血小板凝集抑制→抗血小板作用


高用量においては、
PGI2の作用も減弱させる。

血小板凝集促進≒血小板凝集抑制→抗血小板作用減弱


TXA2もPGI2も、シクロオキシゲナーゼ(COX)によりアラキドン酸から生成されますが、
用量により差がでるのは、TXA2が核を持たない血小板由来なのに対し、
PGI2は血管内皮細胞から生成されているためだとのことです。

・・・改めて考えるとアスピリンは、血小板内のCOXの作用を不可逆的に阻害することで、抗血小板作用を示しているんですね。

アセチルサリチル酸の項を見ると、アスピリンはCOXのアラキドン酸結合部位をアセチル化している(不可逆的)。
一方、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、アラキドン酸と競合するのみ(可逆的)。

これがNSAIDsにはない抗血小板作用をアスピリンがもつ理由だったようです。



・・・改めて見直すと、今回の日記の流れは、一般的なアスピリンの知識を深める流れに逆行して、ゴールからスタートに向かっていますね。

しかし、今回の日記を通して、アスピリンとはどのような薬か、俯瞰できただけでも、書いた意義があったのかな、と思います。

ラベル:NSAIDs アスピリン
posted by 知ったかぶり薬剤師 at 01:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬効 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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