2010年06月09日

十全大補湯と補中益気湯の違い

ドラッグストアの医薬品のコーナーに行くと、白衣を着た薬剤師をみかけます。
そして時々、彼らがお客さんの相談を受けている場面に出くわします。

そういった場面をみかけると、「あえて難しい質問をぶつけたら、どうあわてるかな。」と、悪い考えが浮かぶことがあります・・。

それを実際にやってしまった人が元同僚にいました。

彼が実際にした質問は、「十全大補湯と補中益気湯はどう違うんですか?」というものでした。

職場でその話題をしたときは笑い話で終わりましたが、自分がその薬剤師だったら、と思うとぞっとしました。

まず考えられるのは、「とりあえず、両者の添付文書の効能を“朗読”して、違う部分を指摘する」くらいでしょう・・。

とりあえず十全大補湯。
「病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血」

続いて補中益気湯。
「夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症 」



うん、予想通りしっくり来ない・・。


とりあえず、家に帰って調べました。

参考にしたのは、『病名漢方治療の実際 ―山本巌の漢方医学と構造主義― 』(メディカルユーコン社)です。


補中益気湯は消化吸収改善・免疫亢進(エネルギー代謝改善:補気)作用を持つ四君子湯をベースに、陳皮・生姜・大棗といった健胃剤を加えた処方です。

対して十全大補湯は前述の四君子湯と、老化(物質不足)防止・消炎止血(補血)作用をもつ四物湯をベースにした処方です。

つまり、補中益気湯に対して十全大補湯を議論するとき、四物湯の適応、つまり老化(物質不足)・炎症があるかどうか、というのが重要な目の付けどころになるようです。

実際に本の十全大補湯の項目には、「補中益気湯を使う目標で、さらに夏に痩せて枯れて冷えやすいも者。皮膚が委縮して皮脂の分泌が悪い、枯れて痩せた者に使う。」との記載があります。

かなりうわべだけをすくい取ったまとめになたと思いますが、少なくとも漢方処方のおおまかな骨格で薬効を語れる薬剤師になっていきたいです。
posted by 知ったかぶり薬剤師 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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